• アンコンシャスバイアス研究所

【新刊】一流の仕事の「任せ方」全技術

2020年3月、『一流の仕事の「任せ方」全技術』(明日香出版社)が発売となった。任せるにひそむアンコンシャスバイアスについてもふれた1冊。



Photography by Kanakugi



この本は、後輩や部下のいる方にむけて、「任せること」をめぐる悩みや、葛藤へのヒントになればと願いながら、約1年の歳月をかけて守屋が執筆した著書だ。今日のコラムは、この本を読み終えて、私が感じたことを、言葉にしてみたいと思う。



任せるをめぐっては、当事者が最低でも2人いる。


●お願いをする事(=任せる側)

●お願いをされる事(=任される側)


突然だが、我が家で、こんなことがあった。


私:「お風呂掃除よろしくね!」

夫:「分かったー」


10分が経過してもお風呂場にいこうとしない夫に、イライラして、つい言ってしまうセリフがある。


私:「ねぇ、まだ?いつやるの?」


お風呂に入ったら入ったで気づくことがある。お風呂のスミにあるカビの存在に。そしてついつい言ってしまうセリフがある。


私:「ちゃんと掃除したの?」


ここで、夫婦喧嘩が勃発する…。


私は、「ダメだこりゃ!」と感謝を忘れ、夫は、「二度と掃除なんかするか!」と頼まれごとがイヤになる。こんな夫婦喧嘩が、日常茶飯事だった。


ー 待つ ー


「メンバーの成長のために任せる覚悟」を持てるかどうか」(P.184)


些細なことで夫婦喧嘩に発展する我が家にあって、「任せる覚悟」というこの言葉に私はドキッとした。私は「待つ」という事ができずにいた。我慢できずについ口をはさんでいた私は、「お願いね」という羊の皮をかぶった命令でしかなかった。


待つことを意識したこと。

任せた方が変わったこと。


これにより、心なしか夫婦喧嘩が少なくなったように思う。



この本は、「仕事のうえでの任せ方」が主題となっているが、読む方向を変えれば家族の中でも同じように役立つはずだ。様々な視点から、読み進めて頂ければと心より思う。



「任せる」を読んで気づいた”3つの姿勢”


私が本書を読んでいて思うのは、任せるために大切となる”リーダーに必要な3つの姿勢”が、ちりばめられて書かれているように感じた。順をおって、私なりの解釈を言葉にしてみたいと思う。


①リーダーとしての姿勢


書籍の序盤で、以下のような問いをたてている。


あなたが任せているその仕事は、誰のためでしょうか? あなたが任せているその仕事は、何のためでしょうか?(P.5)


任せるためのゴールをどこに持っていくか。


自分の成功のため?

自分が評価されるため?

怒られないため?

部下の成長のため?

お客様のため?


いくつか複合的に重なることもあると思うが、大切なことは、「リーダーとしての姿勢(心の持ちよう)」だと、私も心からそう思う。


②部下と向き合う姿勢


お互いの理解を言葉にしてみること(P.45)

自分の理解を言葉にして教えてくれるリーダーは、部下からしてみたら最高のリーダーだ。全体像を把握でき、仕事の範囲、期限、指示の明確さが、自然に会話に入ってくる。私はそのような上司のもとで「任せ方」を自然と学んできたように思う。


私は、「自分なりの考え」を、臆することなく言葉にする機会に恵まれてきた。自分なりの考えを言葉にしてみると、「それいいじゃない!やってみて!」といわれたなら、嬉しくて、嬉しくて、心躍りながら、はりきって挑戦させてもらった。次なる挑戦へのモチベーションにも繋がった。何より、「仕事って面白い!」と思える機会に恵まれた。


「あなたと仕事ができて良かった」こう言われるリーダーになることを目指しませんか?(P.8)


「この人と、仕事がしたい!」

「この人から、学びたい!」

「この人のもとで、働きたい!」


私は、幸運にも、そう思わせてくれる人との出会いが多かった。今も、絶大なる信頼をおいている。この本を読みながら、改めて思うことがある。それは、リーダーの任せる姿勢は、その後の部下の「仕事観」に大きく影響するということだ。


③任せるときの姿勢


何かを任せるときに必要なのは”信頼”して待つことだ。本書では、それを「任せる覚悟」と表現している。その他にも以下のような言葉がある。


任せるとは、メンバーとリーダーとが、その責任の一部を分かち合うことです。(P.34)


すなわち、「信頼して任せ、その結果が思ったような成果に繋がらなくても、責めてはならぬ」ということだ。(それは、お風呂掃除で残った汚れを見つけたときも同様!!)



考える力は、余白によって育ちます。(P.165)

任せる事には、本人の考えを交える「余白」が必要だ。それが本人の成長につながる。

ただし、0から100まで、手取り足取り指示をし続けると、それは、”マイクロマネジメント”となり、メンバーの成長を阻害する要因にもなりかねない。


権限委譲をしてくれるリーダー

失敗を分かち合ってくれるリーダー

成長させてくれるリーダー

信頼してくれるリーダー


どれが正解で、どれが間違いというものはないのかもしれないけれど、「その時々でメンバーと向き合っていたい」と、私も思う。



『一流の仕事の「任せ方」全技術』を読んで私が感じたことを言葉にしたみたこのコラム。このコラムを読んだ先にいるあなたへ、ぜひオススメしたいことがある。それは、目次をみて、「ドキッ」とする項目から読み始めることだ(目次全文:コチラより)



第6章には、守屋ならではの視点が記されている。それは、「任せる」に影響をおよぼすアンコンシャスバイアスが取り上げられていることだ。任せるにあたって、「無意識」の思い込み、「無意識」の偏ったモノの見方が、様々に影響していることに、ふむふむふむ、となるかもしれない。



●「任せたら失敗するかも」というアンコンシャスバイアス 「自分の指示通りでないとうまくいかない」というアンコンシャスバイアス 属性へのアンコンシャスバイアス 「もうキミには任せられない」というアンコンシャスバイアス 「私にはまだ無理」というアンコンアンコンシャスバイアス 「きっとまた断るだろう」というアンコンシャスバイアス 「このメンバーは苦手だ」と思ってしまうアンコンシャスバイアス 任せるにひそむさまざまなアンコンシャスバイアス アンコンシャスバイアスに振り回されないために



ビジネス誌「PRESIDENT(2020.4.17号)」や、「日本の人事部のニュースコーナー」など、様々なメディアでも取り上げられはじめた『一流の仕事の「任せ方」全技術』(明日香出版社)










一人でも後輩のいるあなたへ。

一人でも部下のいるあなたへ。



【ライター】井上まい(アンコンシャスバイアス研究所 事務局)